まず結論|21万円超でも混雑日の子連れ旅行には価値があった
家族4人で、21万4,600円。
なかなか立派な金額である。
これだけあれば、少しいいホテルに泊まれる。別の家族旅行にも行ける。
家に帰れば、冷蔵庫や洗濯機という、夢はないが非常に現実的な使い道も待っている。
だから最初にパパから金額を聞いたとき、私の感想は、
「ゾゾゾー!!」
であった。たかが1日遊びに行くのに、そこまでする???
それでも、2025年10月12日の夜、USJを出るころには「これは使ってよかった」と思っていた。
理由は、人気アトラクションに乗れたからだけではない。
一番大きかったのは、親が一日中“USJ攻略係”をしなくて済んだことなのである。
万博の翌日にUSJ。アラフィフ夫婦、予定だけは若い。
今回の大阪旅行は、10月10日の夜に東京から大阪入り。
11日は大阪・関西万博へ行き、翌12日は朝からUSJという日程であった。
今になって考えると、40代、50代の親が組む旅程としてはいささか威勢がよい。
万博の翌日にUSJ。
気持ちと予定だけは若いのである。
わが家は、55歳のパパ、47歳の私、11歳のお姉ちゃん、8歳の弟の4人。
パパは、普段は明るくおおらかに見える。
しかし旅行となると、突然仕事モードに切り替わる。
彼は仕事でも旅行でも、費用と時間と効率をかなり細かく考える。
ところが、子どもの「体験」となると、ときどきその計算機が妙な方向へ働き始めるのである。
彼の基本思想は、「物より体験」。
子どもには、できるだけいいものを見せたい。やらせたい。体験させたい。
そこには、あまりお金を惜しまない。
理念としては実に美しい。
ただし、その結果として、家族4人で21万4,600円のUSJが誕生することもある。
少々、いや、けっこうやりすぎる男なのである。
一方、私はというと、20年近くそんなパパの横で生活を回してきた。
パパが旅程を作り、私がそのプランを支える準備や根回しを行う。
だいたい、わが家の旅行はこの仕組みで成立している。
本当は鳥の声でも聞きながら、本を読んで昼寝をしていたい。
だが現実には、常に次の予定に備えてソワソワ手と頭を動かし続ける。
人生とは、なかなか思いどおりにならない。
家族4人で実際に支払ったのは、21万4,600円
VIPパス
VIPツアー代は4人で17万6,000円。
1人4万4,000円である。
さらに1デイ・スタジオ・パスが、大人2人で2万3,800円、子ども2人で1万4,800円。
総額は21万4,600円となった。
改めて数字にすると、やはりインパクトがある。
21万4,600円はこちらをじっと見て、「本当にいいのか」と問いかけてくる。
もちろん、私もかなり本気で思った。「そこまでして行く?」
ところがパパは比較的平然としていた。
「非効率が嫌い、並ぶのが嫌い、人混みはもっとキライ。」
「でも子どもには全部体験させたい」
この二つを同時に成立させようとすると、21万4,600円という答えが出るらしい。
| 項目 | 人数 | 1人あたり | 合計 |
|---|---|---|---|
| VIPツアー | 4人 | 44,000円 | 176,000円 |
| 1デイ・スタジオ・パス 大人 | 2人 | 11,900円 | 23,800円 |
| 1デイ・スタジオ・パス 子ども | 2人 | 7,400円 | 14,800円 |
| 総合計 | 214,600円 |
大人:VIPツアー44,000円+スタジオ・パス11,900円=55,900円/人
子ども:VIPツアー44,000円+スタジオ・パス7,400円=51,400円/人
※VIPツアー料金は1人44,000円で、今回の明細では大人・子どもとも同額でした。
※スタジオ・パスはVIPツアー料金とは別に必要でした。
無敵のエクスプレス・パス
アメックス優待は「無料」でも「割引」でもない
ここは誤解しやすいのだが、アメックスを持っていれば、VIPツアーが無料になるわけでも、安くなるわけでもない。
わが家が利用したのは「アメックス会員向けのVIPツアー優先購入枠」。
ツアー代金は支払うし、USJへ入るためのスタジオ・パスも別途必要である。
つまり価値は「安くなること」ではなく、会員向けの購入機会や体験にアクセスできることにある。
今回のチケットを購入したのは2025年9月9日。
利用日は10月12日なので、約1カ月前の購入であった。
ツアーを予約・料金を支払う
朝7時、USJへ。ここから一日が始まる
長蛇の列
当日は朝7時から並んだ。
「VIPツアーなら、昼ごろ優雅に行けばよいのではないか」
と抗議したのだが、パパにその発想はない。東京から来た以上、朝から遊ぶのである。
しかし、前日は激混みの万博から夜遅くに帰ってきたばかり。われわれはすでに、それなりに疲れていた。
ただし、朝7時から一般ゲストの長い列に並び続けたわけではない。
開園後はVIPツアー参加者用の専用入口から案内され、説明を含めても15分ほどでパーク内へ入ることができた。
VIPカウンターでは、マリオがプリントされたVIPパスとツアー前後に使えるエクスプレス・パスを1人4枚、ライド・ポンチョを受け取った。
このエクスプレス・パスが、のちにわが家で「無敵の優先チケット」と呼ばれることになる。
一方、そのときは存在感の薄かったポンチョも、数時間後には思いがけず大活躍する。
この日は混雑が予想されたため早めにオープンし、8時15分には、すでにパーク内でキノピオの帽子を手にしていた。
朝のUSJは、入場前からかなりの人である。
その長い列の横を通り、専用入口からスッと入る。
ここで初めて、「なるほど、VIPとはこういうことか」と思った。
誰よりも早く入れるというより、入場するだけで体力を消耗しなくてよい。
子連れの混雑日には、この差が案外大きいのである。
もっとも、係の方の説明は「ハイハイ」と最速で聞き流してしまった。
これが、あとで少し響くことになるのだが、そのときのわれわれはまだ知らない。
いよいよパークへ入ると、弟は元気いっぱいである。
怖いもの知らずの彼は、とりあえず何でも乗りたい。
一方、お姉ちゃんは真逆だ。
幼いころ、あの「プーさんのハニーハント」でさえ、
「係員さん! ごめんなさい! 降ろしてください!」と叫び続けた実績がある。
なぜ謝っていたのかは、今もよく分からない。
同じ家族でも、テーマパークとの距離感はずいぶん違うのである。
VIP専用入口
ホテルのチェックアウトで、約2時間を失う
ここで、わが家は失敗した。
宿泊していたリーベルホテル大阪は、USJからとても近い。
そこで私は、「途中で戻ってチェックアウトすればいい」と軽く考えていた。
ところが荷物は、途中で戻る前提でほとんどまとまっていなかった。
結果、お姉ちゃんと私がホテルへ戻り、パパと弟はその間もパークで遊ぶという形に。
8時50分ごろにパークを離れ、チェックアウトを終え、荷物を預け、家族と合流できたのは10時58分ごろ。
約2時間かかってしまった。
ホテルは近い。だが、荷物は自動ではまとまらない。
VIPツアーで時間を買いながら、その朝に2時間を失う痛恨のミス。
朝から夜まで遊ぶなら、荷造りとチェックアウトは前日までに片づけておくべきですね。
優先チケットを使って乗ったもの
ジョーズ
VIPツアー前の自由時間では、優先チケットを使って「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」、「ミニオン・ハチャメチャ・ミッション ~大悪党への道~」、「ジュラシック·パーク·ザ·ライド」、「ジョーズ」などを利用した。
なんせ時間指定もない、無敵の優先チケット。
長い行列を横目に「失礼します、オホホホホ〜」とばかりに、すすーっと乗り物に乗り込む快感と言ったら。
姉がさほど乗りたがらないので、弟は彼女のチケットを使い、「ジュラシック·パーク·ザ·ライド」に3回も乗った。
大豪遊である。
ところが「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」では、8歳の弟は平気な一方で、パパが乗り物酔いした。
さらにその後、スコールのような大雨。
なかなかやまない雨に、連休最終日の混み合った園内。
座って待つことができるレストランやカフェはあっという間に埋まり、道や軒下では雨宿りの場所を探す人たちで、ごった返す。
我々も雨を避け、涼しく休むことができる場所を探して彷徨った。
思えば、ここでVIPラウンジへ向かえばよかったのだが、そこまで頭が回らなかった。
ツアー特典を、しっかり読み込んでおけばよかった…。
非効率の次くらいに、雨に濡れるのが嫌いなパパ。さらに乗り物酔いが加わり、彼の疲れはピークに達していた。
家族4人なのに傘は1本。パパの嫌いなものが、まとまってやってきた。
ここで、彼の怒りの矛先は、「きっとすぐ止むよ」と適当なことを言った私に向けられた。
ちっとも止まないばかりか、ひどくなっていったのである。
楽しいUSJが一転、緊張が走る一家。
VIPツアーといえども、天候と三半規管までは制御できないのである。
そんなとき、ツアーでもらったポンチョが役に立った。
派手な特典ではないが、雨の中ではポンチョが急に輝いて見える。
旅行の価値とは、案外そういうところに宿る。
ジュラシック·パーク·ザ·ライド
15時30分、ようやく親が“参加者”になった
紆余曲折がありつつも、15時にVIPラウンジへ集合し、15時30分からツアーが始まった。
ラウンジはものすごく豪華な空間というより、「混雑日のパークで、ゆったりと座って一息つける場所」。
これが、あの雨の惨事の後では、とてつもなくありがたかった。
ラウンジでは簡単な説明を受け、トイレへ行き、水をいただいて少し休憩。
ふう。これだけで生き返った気持ちになる一家。
ここからは、ガイドさんについて歩けばよい。
それだけで、親の気持ちはかなり軽くなった。
子連れテーマパークでは、親の頭の中に小さな司令室がある。
次はどこか。
何分待ちか。
この子は乗れるか。
お腹は空いていないか。
トイレは大丈夫か。
そして、その横で子どもは言う。
「お腹すいた」「喉乾いた」「トイレ」
子どもとは、そういう生き物なのである。
ツアー中は、この「次を決め続ける仕事」をかなり手放せた。
パパもようやく、旅程を運営する人ではなく、家族と一緒に遊ぶ人になった。
これが思った以上に大きかった。
念願のニンテンドーワールド。姉は乗らない、弟は乗る。でもそれでいい。
ドンキーコングのクレイジー・トロッコ
ツアーでは、「ドンキーコングのクレイジー・トロッコ」、「マリオカート ~クッパの挑戦状」、「ヨッシー・アドベンチャー」、「ジョーズ」などを体験した。
園内を歩き回りながらガイドさんの説明を受け、案内されるままに進み、乗車する。
ところどころ休憩を挟みながら進み、途中でまた「ジョーズ」などにも乗る。
なんて楽なんだ!
そして念願のニンテンドーワールドに入場。
ここでようやく雨が止み、雨宿りを終えた人々で園内は再び活気を取り戻す。
あちこちで、マリオのコインを叩く音が聞こえる。
子供達は大はしゃぎである。
ゲームの世界が目の前に!
ゲーム連動アイテム「パワーアップバンド」もそれぞれ購入し、
隠しアイテム探しに夢中になる8歳と11歳。
お姉ちゃんも、意外と夢中になっていた。
ここでも、ガイドのお兄さんが隠しアイテムの場所をさりげなく教えてくれるので、
どんどんコインやデジタルスタンプがたまっていく。
しかし、あの人気の乗り物「ドンキーコングのクレイジー・トロッコ」を前に、お姉ちゃんはキッパリ乗車を拒否した。
もったいないことをするものであるが、ここは無理強いしても仕方がない。
お姉ちゃんの他に、コースター系が苦手だという女の子がもう一人いて、ガイドさんと一緒に出口で待っていた。
結果、そのスリルにアラフィフ夫婦も大絶叫である。
これは、お姉ちゃん乗らなくてよかったね…。
そのほか、「マリオカート ~クッパの挑戦状」、「ヨッシー・アドベンチャー」は楽しく家族全員で乗車することができた。
乗り物の中からニンテンドーワールドが一望できる瞬間があり、晴れて重たい雲から日差しが差し込み、少し明るくなったニンテンドーワールドは、後光がさして見えた。
ヨッシー・アドベンチャー™
キノピオ・カフェで、ようやく一日が締まった
ツアーの最後で少し困ったのが、キノピオ・カフェへの案内である。
予約時に確認した案内では優先案内が含まれていたのだが、そのままツアーが終わってしまった。
ガイドさんにその場で確認すればよかったのだが、VIPパスを提示すれば入れるのかな?と思い、
解散の後もコイン集めやアイテム探しを存分に楽しんでから向かったのである。
少し早い夕飯をとる人々で列ができているキノピオ・カフェ。
スタッフの方にツアー優待に入っている旨を説明すると、どうやらガイドさんに連れられてこないといけないらしい。
ガイドさんが、案内を忘れて帰ってしまったようなのだ。
とはいえ、案内に含まれていた以上、ここで諦めるわけにもいかない。
そこからお店のスタッフの方に説明し、チーフらしき人が現れて何点か確認され、ようやく入店することができた。
VIPツアーだからといって、すべてが自動的に進むわけではないらしい。こちらも多少は、自分が何を予約したのか覚えておく必要があるのである。
もっとも、店に入ってしまえば、そんな小さな疲れはすぐにどうでもよくなった。
子どもたちは大魔王クッパ・ハンバーグステーキやファイアフラワー・トマトスパゲティを食べ、ようやくお腹も落ち着いた。
お料理もめっちゃ可愛い!
そして何よりよかったのが、レストランの世界観である。
一日歩き回った最後に、ニンテンドー・ワールドの空気をそのまま食事まで持ち込んだような空間に座ると、「ちゃんと遊び切った」という妙な満足感があった。
アトラクションにも乗った。雨にも降られた。少々すったもんだもした。最後にキノピオ・カフェでお腹まで満たされた。
これでようやく、何も思い残すことなく帰れる。
そんな締めくくりになったのである。
キノピオカフェ
21万円で買ったのは「待ち時間」だけではなかった
VIPツアーを使えば、安く旅行できるわけではない。
むしろ高い。
かなり高い。
それでも、わが家には価値があった。
待たない。
迷わない。
決め続けなくてよい。
そして何より、親が“運営側”から降りられる。
パパは子どもに最高の体験をさせたい。
私は、できれば全員が機嫌よく、無事に一日を終えたい。
姉は怖いものには乗りたくない。
弟はできるだけ全部乗りたい。
希望はきれいにはそろわない。
だからこそ、家族旅行は面白いのである。
21万4,600円。
万人におすすめできる金額ではない。
USJに詳しく、自分たちで効率よく回れる人なら必要ないだろう。
しかし、遠方から行く。子どもがいる。混雑日である。並ぶことが苦手。そして限られた時間で「ちゃんと楽しんだ」と思って帰りたい。
そんな家族にとって、VIPツアーは単なる贅沢ではない。
時間と体力、そして親の判断疲れまでまとめて買う選択肢なのである。
わが家は、その日の夜、「また来たいね」と話しながら、次の来場を思い描いていた。
もちろん、その時はVIPツアーは使わないだろう。だいぶ事情がつかめたからである。
乗りたいものも、混み具合も、だいたいわかった。
子供達も、大喜びだったUSJ。
パパは、子どもたちに十分な体験をさせられたことに満足していた。
人混みが苦手な我が家にしては、上出来なのである。
旅行では「還元率」以外のカード特典も見ておきたい
今回のように、旅行では還元率だけでなく、 「そのカードを持つことで、旅の不便や負担をどう減らせるか」 という視点も重要である。
旅行保険、空港ラウンジ、年会費など、 旅行向けクレジットカードを選ぶポイントは 海外旅行におすすめのクレジットカードと選び方を見る で詳しく紹介している。
更新履歴
2026年06月10日:初回公開
2026年09月14日:実体験をもとに料金・当日の流れ・VIPツアーの特典・注意点を追記し、記事全体を更新